2008年3月3日月曜日

第二、第三の挨拶

なかなか予約が取れないことでかなり有名な祇園の某和食店に
通い始めてそろそろ1年になります。

とは言え、その1年の間にお邪魔させて頂いたのは、たったの3回。

しかもそれはお邪魔した折の帰りがけに必ず、次回の予約をお願いして、
ようやく数ヶ月に1度の席が押さえられるという噂に違わぬ繁盛店。

今回は例年より1日多いおかげで予約が取れたのか、2月29日の夜に伺い
いつもの席ではなく、初めて2階の個室席に案内して頂きました。
エントランスもいつもの場所とは別になっていて、雰囲気も異なりますが
これがまたなかなかに良いお部屋で、一同大満足。

そこへ、最近はテレビの取材等でも売れっ子のご主人が、いつものように
ご挨拶に参上され、これまたいつもの決まり文句で
<何か、お嫌いなものはございませんか>と聞いてくださいます。

さらにいつものようにニッ!と笑みを浮かべながら、
<男性の方には伺っておりません、女性の方のみ苦手なものがあれば
どうぞ、おっしゃってください!>と軽いジョークのつかみが続きます。

こうしてコース料理ながらもお客さんに向き合う姿勢を漂わせ、その上で
<ではどうぞ、本日の料理におつきあいくださいませ>とお迎え挨拶のしめ。

何度か伺う内に耳慣れた定番フレーズは、しかしながら毎回、非常に新鮮で、
しかも心地よい上質感を醸し出します。

そしてあらためて他と比較した時にこうしたお迎えの挨拶が
しっかりと出来ない店舗がとても多いことに気付かされます。

<いらっしゃいませ>が第一の挨拶ならば、第二第三の挨拶はお客様との
距離を縮め、心を通わすプロセスとして自店のならではの言葉や言い回しで
工夫を凝らして、その定番化を目指したいものです。