2006年10月15日日曜日

私の履歴書、乱にいて美を忘れず、貫く・創業の精神(著者:塚本幸一)

著者:塚本幸
タイトル:私の履歴書
初版:1991年
出版社:日本経済新聞社
タイトル:乱にいて美を忘れず
初版:1992年
出版社:東京新聞出版局
タイトル:貫く・創業の精神
初版:1996年
出版社:日本経済新聞社

穏やかな秋晴れの休日、夕暮れの散歩の道すがら、かすかに色づき始めた木々を眺めていると毎年、ごく当たり前に繰り返される光景ではありますが、自然の凄さに改めて畏敬の念を抱かずにはいられません。命あるものがその生命の輝きに向かって精一杯努めることが、どれほど大切なことか、突然、そんなことがしみじみ有難いな!とこみ上げてくる瞬間です。

個人的に秋はどうも、そういうモードになりやすいようで、勢い思い出すのは<生かされた人生>が持論の故・塚本幸一氏のことです。ご存知のように女性下着メーカー、ワコールの創業者であった塚本氏は私が同社に入社した頃は、もちろんお元気バリバリ!年に2回のボーナスの折には必ず、本社ビル勤務の全員に握手で賞与を手渡してくださり、夕方には手がパンパンに腫れ上がった実績の御仁。ハンサムでパワフルで遊び人で強烈なリーダーシップの持ち主。
その後、京都商工会議所会頭を始め、多くの公務のかたわら、それでも毎月の社内報には欠かさず巻頭言を執筆され、月初朝礼では多忙な中を縫って、壇上に立ち、いつも熱弁をふるっておられました。そんな時、お話はやがてあのインパール作戦からの奇跡の生還へと発展し、【人間は生きているのではなく、生かされている!】と声をひときわ強めて語られたことが、懐かしく蘇ります。

人間の命は①植物的生命②動物的生命③精神的生命の三種構造といわれています。①の植物的生命は植物にも動物にもあり、消化、呼吸、循環などの働きを司る生命で、人間の場合は主として内臓の働きをコントロールする役割を担い、最も原始的な生命【第一生命】と呼ばれています。心臓がちゃんと動く。呼吸が乱れない。生物として生きるための根本生命です。しかもこれは見事に自動的にそう動くようにあらかじめ設計されています。今、この瞬間にも血液は体をめぐり、意思の働きとは別次元で生命維持への営みが行われています。これだけみても人間は自らの力で生きているのではなく、生かされているのだということに思い至りますが、本当に自覚しているかというと怪しいものです。

そこで、生かされていることへの謙虚な気づきを塚本氏の言葉で味わってご覧になりませんか?代表的な3冊をご紹介します。

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