2010年6月3日木曜日
敬語の常識
いっぱしの社会人として、組織の中で働いているときには常識の筆頭だった敬語。相手に敬意を表わすための言葉使いや話し方はこの時期、新人さんたちには頭の痛い課題のひとつではありますが、少し見方を変えれば敬語ほど有り難いものもありません。なぜならお互いの関係性が敬語のおかげで常にクリアに反映され、誰とどう向き合えば良いのか、自ずと見えてくるからです。ところが世の中にはその敬語がほとんど通用しない環境もあるのですね、、、。結論から申せば、ごく普通の暮らしの中では敬語はどうも不便な代物らしい、ということが最近わかってきました。たとえば、ご近所さんとの会話を筆頭にゴルフ場でご一緒する方々やスポーツクラブの顔馴染み。スーパーのおばちゃんに、酒屋のおかみさん。若そうに見えてもそこそこの年齢だったり、逆に年下なのにやたら貫禄があったり。つまり、相手の情報が十分に得られない環境下で、敬語を駆使することは非常に難易度の高い課題なのです。なので、いつのまにか誰に対しても対等な口の利き方なるものが育まれるようです。故に徹底して距離をおきたい相手ならば、敬語を貫けばそれで事足りますが、親しくなってみたい。あるいはもっとフランクに会話したい。でも失礼では有りたくない、、、と考えれば、考えるほど、敬語レスの状況へと向かう次第。ところがその一方で敬語体質に慣れ親しんだ耳には、フランクな話し方の獲得以前に敬語ではない話し方への受身の獲得が急務でもあります。なぜならば、どうみても年下の誰かにメチャ、馴れ馴れしくタメ口で迫られると、悲しいかな、ムッとしてしまうからです。こうして考えてみると、社会的な地位や肩書き、年齢、立場、顔色?などで相手を分別し、敬語を使うことで穏やかな対人関係が築けるなんて、どれほど容易く有り難い事か。敬語の常識、見方ひとつでずい分、変わりますね。
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