2007年10月9日火曜日

売りたい本音を超える価値

有難いことに接客現場で<ステキな智恵>の持ち主に巡り会えました。

その持ち主はこの秋から日本での展開が始まったばかりの
新しいブランドの靴の販売スッタッフです。

京都で取り扱っているデパートはまだ2店舗とのこと。
全国ではどことどこが扱っていて、どの靴がどんな売れ行きだとか、
人気の秘密はどこにあるとか。デザイナーの情報や
靴のデザインと秋のトレンドまでいろいろ教えて頂きました。

その時間は久しぶりに何かを<販売するため>に接客されたというよりは
ブランドを<紹介するため>の四方山話しを聞いたような気分でした。

売り場での会話はそれが売り場である以上、<売りたい>という
スタッフの本心がどこかに見え隠れします。
そしてそれはまた販売スタッフとしての超大事な認識でもあります。
が、しかし、その意識は顧客にとって通常はあまり好ましいものではなく、
時には誠意を感じにくくさせる最大の要因でもあります。

特に新規顧客と向き合うときには、上手なコントロールが肝心です。

さて、あるデザインが気に入りましたが、当方の希望サイズは売り切れ。
そこでひとつ大きめのサイズに挑戦したところ、その状態を見て、躊躇なく
『やはりワンサイズ小さめのほうがよろしいですね』ときっぱりひと言。

これは実に顧客サイドに立った親身なアドバイスに聞こえます。
なぜならば、そのワンサイズ小さめの靴は今、売り場にはないからです。

つまり<売りたい本音>を<何か別の本音>がわずかに上回る、その瞬間に
<ステキな智恵>と呼びたい何かが明らかに誕生します。
そしてそれこそが信頼への価値ある種に違いないと思うのですが。

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