我が家のご近所の清浄華院では昨年から、放下鉾のお囃子方の生演奏が
送り火の前後に艶やかに境内で奏でられます。
どういう主旨の催しなのか、はっきり理解していないのですが
昨年は東京やら名古屋からのお客さんと共に送り火の後に、拝聴し、
今年は送り火の前にお邪魔して夏の風情を味わってまいりました。
万灯篭のほのかな灯りに照らし出される境内。
そこに鳴り響く、お囃子は一切合切のややこしいことや、
京都の夏の暑さや憂さを払わんとしてくれているかのようです。
さて、我が家の送り火・鑑賞スポットは定番の場所が決まっています。
それは寺町広小路の梨木神社を右手に眺めながら、京都御苑の清和院口御門を
入って、迎賓館の気配を右手に眺めながら少し西に進んだあたりです。
五山の送り火といえば、ここから目と鼻の先の出町の橋界隈が王道ですが、
その分、人混み具合も生半可ではなく、かなりハードな鑑賞になります。
それに比べれば、まちがいなく穴場の鑑賞スポットといえそうです。
幼い頃から毎年、ほぼ欠かさずに拝み続けている送り火を初めて
京都御苑の中から眺めたときの感動は、東山如意ヶ嶽を染め上げる大文字を
雑踏とは無縁のひっそり静かなロケーションで独占したことにありました。
しかしさすがにここ数年は、口コミから観光スポット化したようで、年々
鑑賞の人が増えてくるのが嬉しいような、寂しいような心持ちです。
最初に火が灯る<大文字>はご先祖様のこと。そのご先祖様が、次に燃え上がる<妙法>を聞きながら、西加茂の<船>に乗って、<左大文字>を眺めつつ、あちらの世界への<鳥居>をくぐって、戻ってゆかれるのだそうです。
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