2007年8月24日金曜日

記憶の不思議

今は亡き、鳳啓介氏と、今もお元気でご活躍中の京唄子氏の漫才の中で
1番のお気に入りは、ボケ役の啓介氏が妙に気取りながら言う口癖の
<忘れようとして、思い出せない>というピンボケフレーズでした。

同世代のある企業の役員さんは未だにこの言い回しを日常的に使用されていて、
年々、増加するきょとん!とした反応にめげない根性を尊敬すらしております。

つまり、忘れようとして、見事に忘れちゃった!ということなのですが、
実際には<忘れようとして忘れられないこと>と<思い出そうとして思い出せないこと>はどちらが多いのだろうと真剣に考えた記憶すら、なつかしい。

さて本日、忘れようとはしていなかったのに実に長い間、完全に忘れていた
ことをある方との打ち合わせの中で唐突に思い出しました。

それは私の中ではかなり衝撃的な出来事であり、そのおかげで明らかに意識のステージが変化したような、それなりの出来事でした。

あるいは明解に自らの価値観の拠り所に気付かされた出来事だったはずですが、日々の歳月の中で過去の多くの記憶の中に完全に埋没していました。

それにしても記憶のメカニズムって、本当に不思議ですね。
何かを思い出すまでの間は一切、意識の端っこにすら存在していない情報が
いったいぜんたいどういう仕組みでどうやって再生されるのでしょうか。

ある何かをきっかけにメチャ鮮明に甦える記憶は、その一瞬前までは
どこにどうやって身を潜めているのでしょうか。
反対に2度と思い出せないことはどこに封印されてしまうのでしょうか。

そこには人間の理解を越える何かがありそうな気がしませんか?
そしてそう考えたら、忘れることも、思い出すことも、とんでもなく
ラッキーな何かの思し召しなのかも知れませんね。

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