2006年9月5日火曜日

アテンションプリーズ!

当たり前すぎて、気にも留めないことですが、人は腹筋と背筋がなければ立つことが出来ません。四足だった太古の昔から、ある日立ち上がり、二足歩行に移行するまでにどれほどの時間を要したことか、現代に生きる私達にとっては想像すら叶いませんが、《立つ》ことができたおかげで、他の動物とは異なる進化のプロセスがそこには確かに用意されていました。

それなのにあらためて問われると《立つ》という動作の手順すら説明できなくはありませんか?まず、はじめに何をどうするのか?次はどこをどうするのか。
『はい、しゃんと立って!』とか、『きれいにまっすぐ立って!』くらいは言えるでしょうが、、、残念ながらこれではわかりやすい指導には至りません。
しゃんともきれいも所詮は人の主観が判断するものだからです。ある人からすれば、ふにゃふにゃの猫背モードでも、本人は今日はしゃんとしている!と思っているかもしれません。きれい!だって絶対の基準があるわけではありません。出来るということはその前提にわかるということがなくてはならず、わかってできることこそが伝承可能な課題と見ることも出来そうです。

別の方向から眺めれば、それはたとえば、生まれつき運動神経に恵まれた誰かが、こともなく実践できる何かを他人に伝えることが至難の技である理由でもありそうです。『だって、できるんだもん!』という世界にあってはむしろ『なぜ出来ないのか』こそが不可解なのです。どうやら、人は自分が出来ることに関しては見事に無関心であり、なぜそれが出来るのかを考えないように初期設計されているのではないかと思い至ります。故に立ち姿は千差万別。かつ相当な個人差があります。

《正しい立ち方》は①かかとをつける、②つま先は自分の握りこぶし1個分開ける、③ひざの内側をしっかりくっつける、(くっつかない場合はできるだけその意識で力を入れる)④お尻を締める、(つまり、肛門を締める)⑤おへその辺りの筋肉を上下に伸ばす、⑥上下に伸ばす姿勢をより滑らかに行うために思いっきり肩をしっかりあげてストン!とおろす、⑦最後の仕上げはつむじの髪の毛が天井から吊られているつもり、となります。実行のチャンスはまずは朝一番の挨拶の時、上司の指示を受ける時、来客応対の送迎時、さらには得意先の訪問退出時、仕事を終えての退出時、そしてちょっとした離席時など。1日の中でことあるごとに、休めモードに緩んでいる姿勢を《アテンション!》と気をつけモードに変換させましょう。この癖付けを心意気ではなく、具体論としてしっかり実行することで忘れていたしなやかな筋肉の記憶を目覚めさせていきます。とき、まさにスポーツの秋。日常的挑戦にはもってこいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿