2006年9月28日木曜日

実践の価値と醍醐味

完成度の高いお辞儀の仕上げに注目したいのは手の動きです。ここまで毎日、何度もお辞儀動作に律儀にお付き合いくださった方々はきっと手はどうしたらいいの?という疑問をお持ちの頃合いかと存じます。逆に読みはしているけれども、まるで他人事の上の空、一応見てはいますが、の方々は、そんな疑問すら浮かばない状況下おいでになるはずです。実際にやってみることの価値はここにもありますね。自ら実践を通して課題に気付く効果、その大きさと重さは人間が成長する上で計り知れない価値を持っていると、出来れば今ここでお気づき頂きたいと切に願います。なので、、、あ、そうか!と思った方はせめてお辞儀の取り扱いの最初あたりにお戻りいただいて、ぜひ、実践行動としてやってみてください。そうすれば必ず、どこかの段階から手が手持ち無沙汰だ!という地点に意識が集約され疑問がわいてくるはずです。

そもそも、お辞儀動作の初期に手はどこにあるか、ここにもおそらく個人差は生じます。正しく立った状態のまま手は身体の側面につけている状態の方。あるいはすでに身体の前で手を重ねている状態の方。(この時、どちらの手が上か?という議論は諸説ありますが、この際どちらでもOK!とさせて頂きます。)さらに有り得ないとは思いますが、両手を後ろに組んでしまう癖がある場合は要注意です。多少、職業病的きらいもありますが試験会場でにらみを利かす試験管のような偉そうさが全身から漂います。ゆえにお辞儀動作とはアンバランスな印象になります。しかも見方によっては罪人が刑場に引っ張り出されるような悲哀すら醸し出してしまいます。(そういえば昔は手が後ろにまわるようなことをしてはならん)という言い方があったかと思いますが、、、、、。

身体の上半身を前傾させる動作に伴って両手も自然に前に移動させてゆく形が最も自然に見えますが、お辞儀によっては手は身体の側面につけたままいっさい動かさない方がよい場合もあります。最敬礼がこれにあたりますね。最敬礼のとき、手を前に移動させると最下点では両肘が背中から突き出したような形になってしまいます。なので手は身体の側面につけたまま!となります。
一般的に見て、男性はこのスタイルも美しく誠実さを感じさせます。また女性の場合はやはり前に手が流れてくる方が穏やかな優しさがあるようです。その場合、手は身体から少し浮かせたほうが見栄えが良くなります。これも実際にやってみればわかることです。身体のどこかに手が付いていると場所によっては変な感じですし、敬礼モードの深いお辞儀にあってひざの辺りに手が乗っかっているとお辞儀というより、休憩してます!という感じに見えてしまいます。
こうして自分の身体と相談しながら自分流を確立するのも実践の醍醐味のひとつ!

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