2006年9月21日木曜日

背筋を決める、目線!

美しいお辞儀の形を獲得するためには、いくつかのコツがありますが、思いの他、重要な役割を担っているのが目線です。出会いの瞬間をスローモーションで再生してみるといざ、お辞儀でご挨拶の前には実はお互いにしっかりと相手の顔をみていることが判明します。つまりお互いの目を見るところが出発点だとすると、お辞儀の動作に伴って外してゆく目線を最下点でどこに置くか、これが身体の姿勢に大いに影響を与えることになります。試しに今、ここでいつものお辞儀をしてみてください。そして頭が最も下になった瞬間、目がどこを見ているのか、点検をしてみましょう。いかがでしたか?

たいていの場合、無意識でお辞儀動作を行うと、目線は真下を見ることになります。ちょうど自分のつま先の辺りでしょうか?ところがこの状態を横から誰かに見てもらうと背中が丸く曲がってしまっていることに気付きます。せっかく正しい手順で形をマスターしても、これでは背筋の伸びた美しいお辞儀とは呼べなくなってしまいます。頭から背中、そして腰までのラインがシャープな直線に近いラインを描くためには、目線は真下を見るのではなく、数メートル先を見ている状態が求められます。

最も一般的なお辞儀である会釈の角度は30度くらいですが、このときの目線はおよそ5メートル程先の床を見るような感じになります。目線を意識してみるとそれにより頭の角度が微妙に変化することがわかります。上半身を倒す角度が浅い場合は遠くを見たほうが背中がスッと伸びやすくなります。丁寧なお辞儀である敬礼は45度、この場合は3メートルくらいの先を見る感じでしょうか。身体を最も深く倒す最敬礼ではその角度が90度なので、ようやく目線が真下に落ちても背筋はまっすぐに伸びた状態となります。

ご自分の目が相手を捉えるカメラのレンズだと思ってください。始めは顔の中の目にピントを合わせ、そこから素早く胸元から足元へとレンズを移動させます。ここで一呼吸。そして今度は下から上へとゆっくりレンズを戻す感じ。このイメージをまずは頭で理解し、そこから実際に出来るを目指しましょう。

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