2007年2月6日火曜日

厄介さの根幹とその使命

電話応対に関するマナーやハウツー本は実に沢山、書店に並んでおります。
なので、1度ならず、そんな本を手にされた方は大勢いらっしゃるはずです。

それはすなわち、電話という通信手段がこれだけ普及しているのにも拘らず、いざ仕事の世界での話になるとなんだかとても厄介な代物で、かつ重要な課題のひとつと多くの社会人が認識しているからに他なりません。

携帯電話がひとりに1台の時代になって、電話応対が上達したかといえば、むしろさほどでもない!というのもかなりおもしろい現象ではありませんか。

顔が見えない相手とのコミュニケーションという点ではまったく同じ条件でありながら、何がどう違うのか。詰まるところ、仕事として電話に向き合うときにはそもそもの制約事項が多すぎるあたりが厄介さの根幹かもしれません。

その意味では<お便り>とよく似た宿命を背負う課題とも言えます。

それ故<お便り>同様に、実は電話応対も基本の流れや定番の言い回しが身についてくれば、一気に精度がアップする可能性を秘めていることになります。

すなわち、いちいちドギマギせずに安心して状況対応できるからこそ、そこに親身な気配りをする精神的な余裕が生まれるという仕組みです。

よくよく考えてみれば、受話器を持った瞬間から始まる、声だけのコミュニケーションにおいて、ひとつひとつの対応の度にどう言えばいいのだろうと言葉探しで頭の中が満杯になっている間は、受話器の向こうの相手の状況を慮ることなど、到底無理だとあらためて思い至ります。

と、すれば定番の言葉や言い回しはいかにも取り繕った上辺だけのものではなく、むしろ見えない相手にしっかりとおもてなしの心を届けるための精神的ゆとりを生み出すという使命を担った表現の技なのかもしれません。

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