<感じの良い電話応対>のために丁寧な第一声に真剣に前向きに取り組む企業や職場では一方でまた別の課題を包含した困った現象が起こったりします。
昨今は特にダイヤルインやひとりに1台の携帯スタイルが普及する中、電話交換的な部署は激減している分、なにやらその対策も含めた試行錯誤の挙句の果ての実に<長い第一声>がそれに該当するのではないでしょうか。
たとえば、とある美容室では『お電話ありがとうございます。○○ホテル、△△美容室、担当の■■でございます』という長文の第一声。とても丁寧かつ、日々の練習の成果で言い方は淀みなく滑らかなのですが、再現して数えたら平仮名で48文字の分量でした。正直くどい、まどろっこしい。
きっと本部やら教育担当主導で、一息でどこの誰が電話に出ているかまでをハッキリさせた方が親切だとか、情報は全部伝えないとわかりにくいからとか、喧々諤々の成果でマニュアル化された言葉なのだとお察し申し上げます。
また以前、お付き合いのあったあるメーカーでは毎シーズン、新製品が出るたびにその商品名を名乗ることが義務付けられていました。
別にいいのですけど。挨拶言葉に新製品名に社名に部署名に個人名じゃ、いくらなんでもやりすぎ、、、、とは思わないのでしょうか。
たしかに『毎度ありがとうございます。○○商事です』と本来いうべきところを『毎度!』とか、『どうも!○○です』としか言わない会社よりは熱心かもしれませんが、だからといって言えばよいというものでもないはず。
長々とした第一声をとうとうと何の躊躇もなく、滑らかにまくし立てる姿勢には顧客に真摯に向き合う誠意よりは自己本位の押し付けがましさを感じてしまうのは相当個人的な穿った見方なのでしょうか?
何はともあれ、第一声にはあれやこれやの姿勢や覚悟までが見え隠れすることにも思いを馳せたい次第です。
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