受ける電話の第一声は考えてみれば、毎日のことなので良くも悪くも慣れてしまえば、そこそこ滑らかに言えるようになるのは当然です。
ならばこそ、ついついその言い方が機械的や単調にもなりがちで、とかく忙しさに追われる状況では早口モードも悪気なく加味され、つれなさが増します。
いつも録音点検が出来るほどヒマではないし、勉強熱心でもない場合はやはり、ここは上司・管理職の管理監督機能の問われる場面とならざるを得ません。
ほんのすこし、耳を澄ませば誰かの電話応対はしっかりと点検できる代物です。
時には隣同士で聞いていても、気になる物言いも実は沢山あるはずです。
思い起こせば、かつての職場で煙たくてしょうがなかったある上司は、誰のどの電話応対にも見事に耳を傾け、受話器を置くや否や『今のどういうことや』と細部に亘って入念な指導をされる方でした。
当時はその聞き耳モードに正直ウンザリで!昼休みともなれば陰口三昧でウサ晴らしに勤しんでおりましたが、今はその有難みにアタマが下がります。
もちろん、その上司にしてみれば得意先や仕入先に迷惑がかからないように、また自社の対応精度の維持向上を願っての事細かな指摘であったと思いますが、果たして同じことが日々、継続して実践出来るかと問われるといささか躊躇してしまう節がなんとも情けないことに心のどこかにあります。
細かな注意を受けた時にはブスッとしていた顔を思い出します。うるさいな!という態度も1度や2度ではなかったはず。でも怯むことなく注意する姿勢の根幹にあったものを、実はあの時、まるでリレーのバトンのように確かに受け取ったはずなのに。どこに置き忘れてしまったのか。
身近な誰かのご機嫌を損ねまいとして正しく叱ることが出来ないのならば、管理職のポストにあってはならない覚悟までも問われる重さが見えますか。
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