タイトル:ことばで『私』を育てる
著者:山根基世(NHKアナウンサー)
初版:1999年12月8日(2000年3月第3刷発行)
出版社:講談社
1、500円(税抜)
実はそれまではどうしても理解しきれていなかった、擬態語と擬音語の違いを『ありさまことば』と『オトマネことば』という置き換えで明快に獲得できたのは今日、ご紹介する1冊との出会いのおかげです。
言葉を扱うプロフェッショナルな立場にあって、言葉に向き合う真剣で真摯な眼差し、そしてその根底に流れる他者への暖かな思いと謙虚な自己把握。
久々に書棚から引っ張り出したこの本を眺めてみると、当時及びその後、いかにこの本から多くの気づきや教えを頂戴しているかが一目瞭然です。
本のいたるところがドッグイヤーされ、そこのページの何がポイントかという箇所にマーカーが引かれ、さらにそこにはコメントがポストイットに小さな文字でびっしり書き綴られて、あちらこちらに貼り付けられています。
そんなものにかれこれ1時間近く見入りながら、およそ8年前の出来事と、そしてそのときの自身のものの見方、考え方に思いがけず遭遇し、良くも悪くもそれらの観点がさほど変わっていないことに驚いたり、感心したり、、、本の力の為せる技につくづく頭が下がる気分に浸らせて頂きました
とりわけ最終章に紹介されている、『銀の雫文芸賞』の雫石とみさんの話は圧巻です。ご本人の著書『荒野に叫ぶ声』も即、購読しましたが、言葉はこころにあふれるものを語り、言葉がなければ考えることすら出来ないという、その当たり前すぎて見落としがちな原点にガツン!と向き合わさせてくれます。
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