2006年11月6日月曜日

120センチの縄張りゾーン

公共マナーとはすなわちお互い様の快適を目指すための様々な約束事であり、同一民族であれば、その実践は本来それほど難しいものではなかったはずです。
簡単に言えば、自分がされて嫌なことは相手が誰であろうと『しない!』と決意できれば、相当な場面で居心地のよさがもたらされる筈です。

今週もまたそんな観点から、相互の快適空間やら快適な対応のための視点と具体論に手を変え、品を変え、迫ってみたいと思います。

そこでまず、あらためて意識したいのが【距離感】の問題です。
車を運転するときの車間距離の取り方に上手、下手があるように、対人関係においての適切な人間距離の取り方が求められますが、案外、表舞台に登場してこない課題でもあります。それゆえに獲得のための具体論も手薄な模様。

たとえば、親密な間柄の場合、初対面の場合、など状況は様々ですが、いったいぜんたい、どのくらいの位置関係で向き合えば良いのでしょうか?

ある日、ヤマアラシの夫婦があまりに寒いのでお互いに身体を寄せ合って暖を取ろうとします。しかし近かづき過ぎるとお互いのトゲが刺さって痛いし、離れすぎると寒い。痛い、寒い、その様子を称して『ヤマアラシのジレンマ』というお話になりますが、ようやく適切な距離を見出すまでには、その繰り返しの中でしか磨かれない技が問われることになります。

その技を獲得するために何度もヤマアラシのようにくっついたり、離れたりしてみるのも確かにひとつの方法ではありますが、ここはもう少し合理的に客観的な数字で望ましい距離間を捉えてみたいと思います。

ちなみに両手を床に平行にまっすぐ横に広げて、その片方の指先からもう片方の指先までを計ると、ほぼ身長分の長さになります。相手の身体に対して、この両手の範囲内に入るときには必ず、一声かける!が求められます。

この距離はおよそ120センチ。『ここから先は勝手に踏み込まないで!』という縄張りゾーンなので、この際、しっかり身体感覚化させたいですね。

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