2006年11月23日木曜日

勤労をもてなす今日

【おもてなし】を英語で言えば、ホスピタリティ・Hospitality
この周辺用語としては【病院・Hospital】があります。
【Hospice】とくれば、そもそもは巡礼者の宿泊施設のことでしたし、現代においては緩和ケア病棟、すなわち癌などの末期患者用施設になります。

そこから来ているホステルは日本でも学生対象の宿泊施設としてすっかりおなじみでお世話になった遠い記憶からも懐かしさがこみ上げます。

そのせいでしょうか、言葉の響きはなんとなく相手を思いやったり包み込んだりする優しく、穏やかなイメージを持っていますが、語源はラテン語の【ホスティス・Hostis】であり、もともとの意味は<未知の人、または敵>とあって、現代訳とはいささか異なる気配が漂います。

でも、考えてみれば今ほど情報伝達手段が発達していない時代にあっては、見ず知らずの人は敵である可能性のほうがたしかに高かったかもしれません。

長い歴史を積み重ねた結果、今日の社会では人が人をもてなすことはごく普通のとても平和的かつ友好的な証として、【おもてなしの文化】が形成されていますが、昔は突然訪ねてくる客人はそれこそ敵か味方かわからない、善人か悪人かの手掛りもない非常に厄介な対象であり、そのせいで双方がとても不安な状況に追い込まれる歓迎すべからざるものであったはずです。

しかしこうした面倒な客人をそれでも何らかの形で迎え入れようとした習慣や作法は様々な形で世界各国に生まれ、初期においては命がけでさえあったソレが、営々と受け継がれて現代のおもてなしに至るようです。

大いなる危険にその身を晒してまでも、客人を受け入れようとした背景にあったものが何なのか、窺い知る事は出来ませんが、相手の身になって考えようとする精神こそがおもてなしの根源であり、それゆえに異なる相手に合わせた臨機応変な対応力の高さも求められることになります。

今日は勤労感謝の日、勤労を尊び、生産を祝い、お互いが感謝しあう日です。誰かを精一杯もてなすつもりで日頃の労をねぎらいつつ、今日はごゆっくり!

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