2006年11月8日水曜日

誠意を表わす二の字のポジション

『起きて半畳、寝て一畳』と申します。人間が暮らしを営む上で、必要なスペースを<足るを知る>という観点から、看破した名言です。

確かにそうなのですが、でもそれじゃ、やっぱり満たされないというか、理屈はそうなんですが、それではあまりにも息苦しいと感じるのも人間ならばこそ。
『衣食住足りて礼節を知る』の言葉に照らせば、やはり最低限以上のわずかなりとも余裕を感じるような暮らしぶりの上に、初めて他者への気遣いやら慮る心というものが育まれてゆくのだろうと思われます。

さて、誰かと向き合うときの距離感と共に、お互い様の快適にためにぜひ、意識したいのが相手との向き合い方、つまり【ポジションの取り方】になります。

ビジネスの場面における初対面の挨拶や、商談など緊張を伴う状況では原則、お互いの身体の正面に相手を置く、ポジションを取っています。
この様子を、たとえば上空からカメラで撮影しているつもりで眺めてみると相手とこちらの身体が『漢字の二の字』のように相対していることに気づきます。

すなわち、しっかりと襟を正して相手に向き合わねばならないときにはこのポジションが求められることになります。御礼やお詫びの挨拶然り、職場で上司に呼ばれた時も『二の字のポジション』で向き合うことで、誠意を表わすことが出来ます。特に親しい間柄ではついつい、こうしたポジションがなおざりにされがちですが、このけじめが状況に応じて、つけられるかどうかが、良い対人関係の構築のためには思いの他、重要な鍵を握っていそうです。

日頃は仲良くしているし、よく知っているのだけれど、今回はその相手のために随分、骨を折ったし、世話をした!なんて思っているときに、あまりにもフランクに『助かったよ、ありがとう』なんて気楽に言われて『ムッとした』経験はありませんか?

威厳を持って、居住まいを正し!その誠意溢れる心を伝えるための『二の字』のポジションは大の大人なら美しく決めたい技のひとつです。

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