職場の人間関係において、個人名の<呼び捨て>が正々堂々と行なわれるのは何も電話の取次ぎの場面だけではありませんね。
たとえばこれからの季節はちょうど春の定期人事異動の頃合、勢い担当者の入れ代わりが生じる時期となります。この場合、お取引先にお邪魔して着任間もない上司をご紹介させていただく折なども原則として本人を目の前にしながら呼び捨てをすることになります。
また日頃の一般的な商談や打ち合わせなどで、上司や先輩の個人名を引き合いに出す折には、通常は敬称略で呼び捨てにしているはずですね。
こんなふうに考えてみると、仕事の一環として嫌味なく<呼び捨て>に出来る表現力は案外、大切なことかもしれません。
同席しているからと言って、妙に遠慮がちもおかしいし、かといってやけに偉そうに日頃の鬱憤晴らしのような言い方も社会人的に不細工です。
さらりと快活にそして尊敬を込めて誰かを<呼び捨て>にする技は、これまたある日突然、振って湧いたように身につくものではなさそうです。
となれば、電話応対の<取り次ぎ>における<呼び捨て>は、またとない練習のステージと言うことができます。こうした意識を持って取り組むのと、ほとんど何も考えずに取り組むのとでは、やがて結果に大きな差が出るのは当然の成り行きと言えませんか?
ご承知の通り、昔から物は言いようで角が立つといいます。<丸い卵も切りようで四角>ということを意識の隅に置きながら、あらためて<呼び捨て>の技の獲得に邁進したいですね。そうすることで実際の商談などにおいても、臆することなく自然体としての実力が間違いなく培われます。
仕事に求められる対人関係スキルは直接的なシーンでのみ鍛えられるものだけではありません。こうした日常的な電話応対などの間接的なシーンでのスキルが積み重なって技化されてゆく価値にもそろそろ気付きたいものです。
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