いつも通りの1日でありながら、今日で3月も終わりかと思うと、不思議なことに節目のタイミングに少しばかり気分が引き締まります。
いわゆる事業年度としての期末を意識しつつ、一方で昨今注目の道徳授業の再登板などもぼんやりと視野に入れ、<言葉の道場>らしいお話をご紹介します。
<満足と満腹>というよく似た言葉があります。あらためて問うこともなく意味の違いはご承知の通りですが、おもてなしの現場にあって謙虚に点検項目として掲げたい課題が実はこの2つの大きな違いではないかと思っております。
接客であれ、電話応対であれ、日々、提供しているものはどちらなのか?
昔、社内の研修で教えてもらった話が今も鮮明に思い出されます。
それは<おっぱいと赤ちゃんの話>でした。授乳のときにお母さんが仕事のことを考えながら、早く飲み終えて欲しいと思っていると、いつもより時間が長くなることが多いそうです。いつまでたっても赤ちゃんはお母さんのおっぱいから口を離さない。量は十分飲んでいるのに急ぐときほど決まってそうなる。
反対に休日などに赤ちゃんのことだけを考えながら、愛情たっぷりのほのぼの気分で授乳していると赤ちゃんのご馳走様がとても早く訪れるそうです。
この現象を調べた結果、同じように授乳していても、そのときにお母さんが考えていることによって血液の酸性濃度が微妙に変化し、そのせいでオッパイの味も変化し、その結果、満腹になっても満足しないからだと判明したそうです。
考えてみれば大人も同じ。空腹を満たすだけでは足りない何かがあることに誰もが気付いています。そしてそれこそがお互い様の快適のために目指し続けている価値の領域です。しかも、そのことを私達人間は生まれたばかりで、まだろくに目も見えない乳児期から見事に体現し続けてきているようです。
満足と満腹はまるで違う、その違いをしっかりと踏まえた決意が問われます。
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