タイトル:ツチヤ学部長の弁明
著者:土屋賢二(お茶の水女子大学教授)
出版社:講談社(文庫)
533円(税抜)
今朝の朝日新聞<天声人語>では、ついに1億台に迫る携帯電話のマナーに関しての提言が<ただモラルを問うばかりではなく、実態に則した知恵が必要>と言う形で問われておりました。
まさしく仰せの通り!と実感するのは個人的には京都市民として大いに利用させて頂いている市バスの車内での対応についてでしょうか。
車内に流れる録音再生テープメッセージはこれまたごもっともなのですが、悲しいほどに有名無実ならぬ、有形無実の典型でもあります。
繰り返し流れる音声は<医療機器への影響の恐れもありますので、携帯電話の電源をお切りください>と呼びかけていますが、その成果はどう好意的に見ても限りなくゼロに近い、もしくはほとんど無い!と言えそうです。
市バス関係者にはお叱りを受けそうですが、傍目に眺める限り、そんな成果なんてどうでもよろしくて、ただそういうことを『ウチラはちゃんとやっていますから!』と言う姿勢徹底の方に重い軸足があるように思えてなりません。
もしかしたら熱血教師のような正義感溢れる乗務員が、運転席からのインカムスタイルのマイク越しに『そこのお客さん、車内での携帯通話はご遠慮ください!』ってな見事な対応で、すぐそばで辟易としていた乗客の溜飲を下げてくださっているのかもしれませんが、、、まだ1度もお目にかかっておりません。
と、まあ本日はこんなペースで<時に人は何かに向けてのまっすぐな思いをいささかオチョクリモードで笑いの中に織り交ぜて提言してみることも大切>と気付かせてくれる1冊をご紹介いたします。その全編に貫かれた笑いへの執着がどこか綾小路公麿路線にも似た郷愁を漂わせ、とにかく笑えます。
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