そういえば、遠い昔のサラリーマン時代にどうしても納得ができず、
受け入れがたいまま棚上げしてきたのが<本音と建前>という課題です。
当時はとかく職場の人間関係において<本音と建前>を使い分けることが、
一端のビジネスマンの証とされていたような時代のしかも真只中。
つまり思っていることをそのまま言っちゃ絶対にダメ。
内心はどうでアレ、上辺は上手に相手に合わせて、建前を貫くことが基本。
<イエスマン>という言葉がやけにもてはやされた頃でもありました。
やがて出世して本音がまかり通るようになるまでは、とにかくハイ!で
走りぬけ!というようなご指導を事あるごとによく聞かされました。
そしてそれはある意味、ビックリ仰天の衝撃でもありました。
嫌なものをイヤ!と言ってはいけない。黒を白といわなくてはいけない。
やんわりと遠まわしは許されても、ストレートに何かを
言ってはいけないことを社会人になって初めて知りました。
もし会社に入っていなければ、知らないままに人生を過ごしたかもしれません。
やがてそれがひとつの対人関係の作法であって、穏やかな他者配慮の願いが
根底に秘められたものであることに気付くまでどれほど時間を要したことか。
そしてこれもよく考えてみれば最初にそれを教えてくれた方の<ものの言い方のニュアンス>のせいであったのかも知れないと最近になって思い至ります。
これを建前風に申せば、当時、あまりにもストレートに何でもズバリと
耳の痛いことを言い切る当方の気性に対する親心であったのかもしれません。
でも本音で申せば、何でも言いたいことを言う、そんな新人が
可愛いはずもなく、ただ憎たらしい気持ちで押さえつけたかっただけなのかも。
大切な何かを歪みなく、ありのままに伝えられる言葉と気持ちと
その話し方を本当にちゃんと獲得したいと願う、今日は年に1度の七夕です。
0 件のコメント:
コメントを投稿