2007年7月14日土曜日

言葉の力

言葉は生き物とよく言われます。時代と共にどんどん変化するものだから。

そして言葉がなければ、ものを考えることさえ出来ないことに
しっかりと気付くことが出来れば、言葉に対しての姿勢が少しずつ変わります。

たとえば、梅雨の合間の晴れ間にすっと鮮やかな虹が掛かることがあります。

あの虹の色を私達、日本人は7色と習い、そしてたしかにそう見ることが出来ます。色の順番は赤橙黄緑青藍紫<セキドウオウリョクセイランシ>と覚えています。

しかし、同じ虹を見て、この地球上にはそれを5色と認識する民族もいれば、たった3色と答える民族もいます。詳しくお知りになりたい場合はネットで調べて頂ければ、世界の国別に何色と認識しているかが紹介されています。

これはいったいどういうことなのでしょうか。

虹そのものは同じだけれども、見る場所や、時間帯やあるいは
私達の目の色などによって、見えるものが異なるということ。
いえ、そうではなくむしろ微妙な色の違いを表現する言葉がなければ、
明解な区別はできないということを意味しているのではないでしょうか。

日本は色を表わす言葉の数がおそらく世界一多い国です。
いえ、色だけに限らず、月や風や雨の降り方に関しても
実に沢山の言葉を育んできた文化が日本にはあります。

新緑に降る梅雨の走りの雨が青梅雨<あおつゆ>・卯の花を腐らせる長雨を卯の花くたし<うのはなくたし>・陰暦5月の長雨は夜も闇が深いため、五月闇<さつきやみ>・曾我物語の仇討ちにちなんだ虎御前の涙雨の虎が雨<とらがあめ>・梅雨明けの頃に急に強く振る雨を送り梅雨<おくりづゆ>等など。

強い台風の雨が気がかりな中、今日は名古屋で研修。無事に戻れますように。

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