仕事に限らず、日常の多くの場面で問われる課題のひとつに【効率と効果】があります。『もっと効果的な方法はないの?』と問いかけられたり、『効率的にみてどうよ?』と問いかけたりします。実は言うほうも言われるほうも、さほど真剣に考えていないけれども、表向きかつ対面的に真面目に考えていますという雰囲気作りのための常套句のひとつがこのよく似た2つの言葉ではないでしょうか?たとえば、家事ひとつもあらかじめ、段取りを決めて取り掛かるのと、思いつくまま行き当たりばったりでことに臨むのとでは、時間的にも経費的にも、労力的にも大きな違いをもたらすことは紛れもない事実です。料理も掃除も洗濯も、スムーズな進行には事前の計画性がなくてはならず、この段取りの良し悪しが成果に与える影響は相当大きいはず。ましてや、これが仕事になれば、生産性との関わりから、ロスやミスを極力排除し、安く、早く、人手をかけずにいかに良いものを作り出せるかが、競争社会の至上命題。そうしたプロセスの中で声を大にして叫ばれてきたのがこの【効率と効果】でした。
が、しかし『狭い日本、そんなに急いでどこへ行く』という視点も年々、着実に賛同を深めており、2007年を目前にロハスを始め、これまでとは異なる社会がすぐそこまで来ているような気配です。となれば、近々、【効率と効果】はどうでもいいんじゃないの。ゆっくりのんびり、行き当たりばったりもまた楽しい!で死語扱いにされそうなので、今のうちに【効率と効果】の違いについて真面目に注目しておきたいと思います。だいたい会社の会議などでワイワイ検討しているときに議論がまとまりきらない最大の理由はこの2つの言葉がほとんど同じ意味で使われてきたからではないかと、実は随分前から疑いを持っておりました。ただ、職場の上司や先輩に向かって、【効率と効果】はどう違うのですか?と今更、正面きって問い質すのはあまりにも大人気ないような気がして、、『ま、いいか、、とりあえず、、』を決め込んできた次第です。
何某かの成果すなわち<アウトプット=OP>を導き出すためには当然、何らかの投資すなわち<インプット=IP>が必要です。かつての高度成長時代にはドンと投資してドンと成果を出す!ことが可能でした。しかしそればかりでは立ち行かなくなり、【効率・効果】が注目されました。つまり【効率】とは【OPは従来通りでIPを縮小する】ための方法論の模索検討を意味します。
反対に【効果】とは【IPはこれまで通りで、OPを拡大する】ための方法論の模索検討になります。似ているようでも言葉が違えば、意味は異なります。
言葉に対する感度を磨くことは言葉を扱うことが許された人間の大いなる責任と思い至り、今頃なんですが、反省を込めてこのカテゴリーの効果を期待して!
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