私達の体の中を絶え間なく流れ続ける血液の量は体重の10分の1と言われますが、その時々によって必要なところに多く配給する【重点配給】ということが常時、自然に行われています。
本人はまったく気付いていませんが、たとえば食後は胃の中の食物の分解のため、胃の蠕動運動(ゼンドウウンドウ)支援に多くの血液が配給されます。
ちなみにこの蠕動運動は20秒に1回、すなわち1分間に3回行われるそうで、大人も子供も日本人も外国人も皆、同じだそうです。なんか、凄くないですか。
この時、身体の中の血液は内臓に多く配給されるため、位置的に上になる頭、すなわち脳の血液量はかなり少なくなり、故に活動休止状態を余儀なくされます。これが食後に眠くなる理由です。心臓から送り出された血液が全身をめぐるとき、地球上の引力も手伝って、下半身に向かう流れは滑らかですが最下点の足の裏まで到達して、そこから頭のてっぺんまで上り詰めるのはそれなりに大変だろうと予測されます。この大変さの克服に大きく貢献するのが筋肉です。
足から上に順調に血液が流れていくためには血管のまわりの筋肉の動きが不可欠です。しかも血液が逆流することがないように設計されている血管の中の蓋のようなものを下から上に押し開けながら血液を送り出さなければならないため、かなり勢い良い状態が求められます。これを歩く動作の内側で黙々と実践してくれているのがふくらはぎの筋肉になります。それはちょうど雑巾を絞るようにぎゅっ、ぎゅっと収縮します。この収縮運動こそが血液運搬の立役者。たとえて言うなら、牛の乳搾りを思い浮かべてみてください。牛の乳房を手のひらで握り、小指から順に上の指へと絞り込んでゆきます。こうすることでびゅーと乳が搾り出されます。この手の動かし方をミルキングアクションといいますが、これと同じ現象がふくらはぎの筋肉をして血液を元気良く送り出す仕組みとなっています。
ゆえに歩くことを通して、沢山の血液が安定して全身を巡るため、頭が冴えてくる!というのもなるほど筋が通っている話といえます。
ミルキングアクションの活性化のため、歩きましょう!胸を張って。
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