昨日は日帰りで山口県防府市まで出張してまいりました。防府信用金庫さん本店の会議室を拝借して、地元企業の方々の勉強会で90分の講演を行うためです。午後、2時35分京都駅発ののぞみで新山口まで、そこから山陽本線に乗り換えて、防府まで約15分。同じルートで京都駅に帰り着いたのは夜の23時30分。久々に長時間、JRの中で過ごしました。おかげさまで本を読んだり、気になっていることをゆっくりと考えたり、一見、もてあましそうな時間が結果的にはとても有意義なひと時となりました。
実は昨今、トラブルとまでは言えないまでも、何やら納得がゆかない事柄がざわざわと心の片隅にいくつか、居座っております。表面的な現象は異なりますが、どうも同じメッセージを内包している気配を感じつつ、思考の限界と時間不足でしばし棚上げ状態の案件にわずかながら整理の目処が立ってきました。
労働災害事例の統計分析の結果、導き出された【ハインリッヒの法則】というのがあります。【1:29:300】の法則としてご存知の方も多いと思いますが、いわく、【1件の事故(アクシデント)が起きるまでには、29件の出来事(インシデント)とさらにその影には300件の異常(イレギュラリティー)がある】といわれるものです。現実的な1件のクレームにはそれ以前に29件の何某かの苦情や不満があり、その前提として各担当者が一瞬、ヒヤリとしたり、ハットした300の出来事があると分析するものです。ゆえにともすれば、ありがちな『たまたま不注意で、、、』という事故との向き合い方は大間違いということになります。なるべくしてなった事態ならば、目の前の事の処理だけでは足りず、根本の仕組みに目を向ける瀬戸際のチャンスという受け止め方が問われます。
個人的な局面での気づきではありますが、フロイトのいう、超意識が人類共通ならば、何某かのヒントになればと思います。クレームの現場でよく使われる『ピンチはチャンス』という言葉は手前味噌すぎて、賛同しがたい点もありますが、この法則に照らせば、さらなる災い回避のラッキーチャンスかもしれません。『手間隙惜しむと手がかかる』は数多い、座右の銘のひとつですが、面倒な何かを丁寧に片付ける癖付けが重要とあらためて自らに種蒔きの出張でした。
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