2006年10月8日日曜日

お坊さんだって悩んでる(著者:玄侑宗久)

タイトル:お坊さんだって悩んでる
著者:玄侑宗久(げんゆう そうきゅう)
出版社:文芸春秋新書
820円(税抜)

我が家にはまもなく満8歳を迎える愛犬がおります。人間の年齢にすれば50代後半あたりになるのでしょうか。いつの間にか飼い主の年齢を追い越し、これからは年々歳々、足早にその差を広げてゆくことになるのかと思うとしみじみ胸がキュン!と締め付けられる秋の夕暮れです。だいたい我が家では愛犬のお散歩がいつのまにか夕暮れ時の1日1回になり、春から夏にかけては日に日に遅くなる日暮れが勢い、生命力に活力らしきものを与えてくれる気がします。ところが昨今はまさにその反対です。秋の陽のつるべ落としの夕暮れが、これからどんどん早くなる冬場の夜の訪れの切なさに拍車をかけ、まだ夕方5時なのに星空を仰ぎ見る季節ならではの寂しさといいますか、えもいわれぬ感慨にこころなしか愛犬の足取りもトボトボと老い始めたかのような錯覚に囚われたり致します。そんな飼い主の思惑とは裏腹に幸い我が家の愛犬は寒いところでその原種が誕生した犬種のため、ここからこそが暮らしやすい季節の到来と気温が下がるに従って体調万全のようですが、本当に人というのは考えなくてもよいことに思い煩う生き物なのですね。

考えてみれば明日の朝ごはんの心配をするわけでもなく、星空を眺めて今日の失敗にくよくよ悩むわけでもなく、人間に比べたらなんともうらやましいほど動物たちはただその日その瞬間を生きていることになります。もちろん、本当のところはわかりませんが、、、、そういえば、発売当初大ヒットしたバイリンガルならぬ、犬の気持ちの翻訳機、バウリンガルとやらはさらに進化しているのでしょうか?

ちなみに犬や猫などの動物が1日中寝ている訳をご存知ですか?実は人間以外の動物は原則、熟睡することはないそうです。野生であればごもっともですよね。よほど身の安全が確保されない限り、熟睡は襲われて即、死を意味します。
ゆえに四六時中、うつらうつらと熟睡できない分、仮眠しているそうです。たしかに我が家の愛犬も熟睡しているようでいて、かすかな物音にも敏感です。

死ぬほど悩んで眠れないと言っても、丸2日も起き続けていれば、さすがに3日めには熟睡できるが故の人間ならではのややこしい人生の悩みに、お坊さんという職業の視点から答えてくれる1冊をご紹介いたします。

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