2007年1月2日火曜日

初夢考察

いつ見た夢を<初夢>と称するのか、元旦の朝、2日の朝、あるいは今晩見る夢なのでしょうか。どうも地域によって諸説分かれるようではありますが、そもそも<初夢>に縁起かつぎの視点を根付かせたのが江戸庶民であったことからすれば、江戸時代の仕事始めだった2日の夜に見る夢のことになるようです。

縁起の良い順に「一富士、二鷹、三茄子」と申しますが、ナンバーワンはいうまでもなく、日本一の山でありこの国を代表する霊験あらたかな富士山のこと。
鷹は実は高みをめざすの「たか」であり、茄子は事を成すの「なす」の意味。 
つまり、「日本一高い富士山のような高みをめざし、それを成し遂げる」と言う縁起を担いでの表現となります。

実は我が家では元旦の夜に見る夢を<初夢>と称しておりましたので、2日の朝こそがちょっとした愉しみの瞬間でした。小さい頃には折り紙でだまし船を折って、それを枕の下に敷いて寝るといい夢が見られると言われ、よく試したのですがついぞ成果がなく、さらにいつの頃からか、枕なしで寝るようになったためチャンスはさらに遠のき、未だに縁起のよい夢を見たことがありません。

つい最近、何かの雑誌でこの枕の下に敷く船の由来を初めて知りました。
それによれば、実は<七福神を乗せた宝船に「なかきよのとおのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな」という回文(上から読んでも下から読んでも同じ文句)を書いた絵>を枕の下に敷くというのが本来だとか。

つまり、そうすることで「いい夢を繰り返し見られますように」という願いが込められていたようです。しかも万が一、良くない夢を見たときにはこの船を描いた絵を川に流せば、その夢もなかったことにできたらしく、とても都合の良い代物だったようです。

それが口伝えに伝わる中で、だんだん形を変えて折り紙のだまし船になって我が家には伝わってしまったようです。だから効果がないのだと得心しました。

回文は<永き世の遠の眠りの皆目覚め波乗り船の音の良きかな>と書きます。
せっかくなので今晩、お試しになりませんか?

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