会話のハンドリングとして<話を仕掛ける>場合にも、厳密に申せば2つの方向性が存在します。ひとつは昨日、ご紹介したように会話の流れの中で相手の言い分をしっかりと肯定してから、その延長線上、もしくはその付近で主導権交代を問いかけてみる方向になります。
もうひとつは会話の流れの切れ目をきっかけにかなり強引にこちらが話したい方向にリードする、あるいは話を転換させる方向です。
具体的なフレーズとしては<ところで、本日お電話させていただきましたのは、、>であったり、<そういえば、肝心なことを忘れるところでした、、>あるいは<それはそうと、そろそろ本題に入らせて頂いてもよろしいでしょうか>というような言い回しになります。
これらも<あいづちことば>ですか?という疑問の声が聞こえてきそうですが、本来の内容の合間に存在する言葉の総称として取り上げるならば、立派に<あいづちことば>と括る事が出来そうです。そしてこの中にはこれまでにご紹介済みのクッション言葉も包含されることになります。
なんとなく息の詰まるような、ギクシャクした会話を観察してみるとこれらの<あいづちことば>の含有量が極端に少ないことに気付きます。
ひと通りのあいさつやご機嫌伺いの後、唐突にメインの用件に入っても何らおかしくはありませんが、たとえて言うなら、それでは注文した料理を黙って目の前に置かれるような殺伐観が漂います。それよりは<はい、どうぞ>と言われたり、<お待たせしました、A定食です>と出されたほうがその場の空気が和むという感覚に似ています。
たまたま適切な言葉の手持ち在庫がないために言えない場合も、あるいは在庫は持っていても使った経験が少ないために言い淀んでしまうケースも、状況は様々ですが、言えないより言えた方が間違いなく会話は穏やかになります。
頑張って使う、それが上達への唯一絶対の近道です。
0 件のコメント:
コメントを投稿