2006年12月2日土曜日

仕事の価値を決めるもの

どんな仕事にも価値があるということがしみじみ実感としてわかってくるのは、やはりそれなりに年齢を重ねなくてはならないようで、そのことを言葉で表わすのは存外に難しいものだったりします。

でも有難いことに様々な寓話や物語が、その手助けをしてくれます。

仕事の価値を考えるときによく引用するのが、【レンガ職人の話】です。

舞台はどこかヨーロッパのとある小さな街。
状況はその街を旅行者として訪ねた貴方が天気の良い昼間に散策中の出来事。

街角で一生懸命にレンガを積んでいる職人達を見つけました。
思わず貴方は一人の職人に声をかけます、『ねえ、何をしているのですか?』
するとその職人は背中を向けたまま、レンガを積む手も止めず、荒っぽい声で『見りゃわかるだろう!レンガを積んでいるのさ。邪魔しないでくれ』

冷たい後姿に『ごめんなさい』とつぶやくように言うと、貴方はその場をはなれ、少し先でまた別のレンガ職人の姿を見つけました。いったい何を造っているのかしら?興味が押さえきれず、またもや声をかけてしまいます。
今度はゆっくりとこちら振り向いたレンガ職人が呑気に答えてくれました。
『よく知らないが、かなり立派な建物らしいよ!』貴方はお礼を言ってそこを離れました。何の建物かしら?もうひとりだけ、聞いてみようと思います。

最後の職人に貴方が同じ質問を投げかけたとき、その職人はくるりと勢いよく振り向き、明るい笑顔で胸を張って誇らしげにこう答えてくれました。
『よく聞いてくださいました。実はこの建物はこの街の皆が、長い間待ち望んでいた街一番の教会なのです。そりゃもう立派な建物ですよ!その素晴らしい教会のレンガを私が今、積んでいるのです。完成が楽しみです!』

レンガを積むという仕事は同じですが、その価値は【仕事にどう向き合うか】によってこれほどの違いをもたらします。
仕事が持っている価値のひとつとしてこれを【態度価値】といいます。

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