<訪問>に関して京都ならではのこだわりがあるとしたら、それは到着する時間の事かもしれません。一般的なビジネスマナーにおいては約束の時間の前後5分くらいをその適正範囲としている場合が多いようですが、京都的にはほんの少し(2、3分)遅れるくらいをちょうどよしとしています。
それは特にプライベートな訪問に関しての暗黙の決まりごとであって、お迎えする側の直前までの慌しさを考えれば、時間厳守より少し遅れてきてくれた方が有難い!という経験則に基づいた暮らしの知恵的対処方法と言えます。
これを京都では<髪の毛1本くらい遅れる>というような言い方をします。
もちろん10分以上遅れるとなるとこれはもう髪の毛一束ほどになりますので、当然、当初の約束の時間以前に遅れる旨の電話連絡を入れなくてはなりません。
実際のビジネスシーンにおいてはやはり<約束に遅れることはまかりならん!>という時間厳守が前提であり、このため現地への到着時間は必然的に早め!早め!となってしまいます。
その日の天候や交通事情にも左右され、到着時刻を厳密に割り出して行動することが難しい以上、現地に早く到着するのは安全策として当然ですが、ではそのまま直行するかどうかは<訪問のマナー>として思案のしどころ。
時々、とても素直に『道が空いていたので、アッという間に着きました』と約束時間より30分以上も早くお見えになる方もいらっしゃいます。
まあ、1度くらいはご愛嬌で済まされますが、2度3度と重なれば、『何のための約束だ?』と時間管理の甘さだけでなく、結果として相手の時間泥棒と化している身勝手さに思い至らない思慮の無さから信頼を築くことは難しい状況へとひたすら追い込まれることになります。
ここはひとつ、せっかく手にしたゆとりの時間と割り切って、再度身だしなみを整えたり、商談の進行を頭の中で反芻してみたり、あるいは携帯メールなどのやり取りタイムに充当したり、上手に時間を消化して約束の時間ピッタリの到着をめざしたいものです。これも継続すれば立派な武器のひとつになります
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