2006年12月17日日曜日

怒りの方法(著者:辛淑玉)

タイトル:怒りの方法
著者:辛淑玉(シン・スゴ)
初版:2004年5月
出版社:岩波新書
700円(税抜)

よくよく考えてみれば<挨拶・名刺・自己紹介>は出会いの3点セットであり、良くも悪くもこれが初対面の第一印象の大元であるのはいわずもがな。

それだけに細心の注意と緻密な計算で挑みたい課題ですが、実際は驚くほどの治外法権扱いです。「毎朝、一生懸命練習しています!」なんて清々しい御仁に出会ったこともなければ、そんな話を小耳に挟んだ経験すらありません。

長かったサラリーマン時代の記憶を辿ってみても、せいぜい新人研修のどこかでちょいちょいとなぞる程度が関の山ではなかったかと思い至ります。
あらためて本当にそれでよいのだろうか?と素朴な疑問が沸き起こります。

誰も彼もがビジネスやプライベートで良い対人関係を築きたいと願いつつ、その具体論の獲得に日夜奔走し、ありとあらゆる手段で挑み続ける現実にあって
その出発点とも言うべきステージになぜ、スポットが当らないのでしょうか?

さわやかで好感の持たれる第一印象を本気で獲得したいと願うならば、まずは入り口である出会いの瞬間の課題に真剣に取り組むべきだと思いませんか。

「あ、どうも。」ではなく「おはようございます。お初にお目にかかります」と言えたほうがどれだけ爽やかでしょうか。

あるいは「えーっとこういう者です」よりは、「私は○○△△と申します。お目にかかれて光栄です」ときちんと言えた方があきらかに賢そうです。

名刺を頂戴したら「ありがとうございます。頂戴します」と言えますか?
どんなに些細なことでもそれがしっかり身につくまでにはそれなり努力と時間が必要です。そしてそれはあらゆる感情表現において問われる課題ではないでしょうか。たとえば、それが「喜び」であれ、「怒り」であっても。

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